屋根塗装の費用相場は、一般的な2階建て住宅の場合45万円~となります。
定期的に屋根塗装を行うことで屋根材を保護することができ、屋根材の寿命を伸ばすことができます。
塗料ごとに耐用年数や費用、性能に大きく違いがあるため、屋根材に合った塗料を選ぶことが大切です。
定期的に屋根の点検をすることで屋根の劣化状況を確認することが出来ますが、屋根材ごとに異なる特徴があり、劣化の判断基準なども異なります。
本記事では屋根塗装を考えた時に知っておくべき知識をご紹介します!
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屋根塗装の費用相場はどれくらいなのか?【2023年版】
一般的な2階建て住宅の場合、屋根塗装の費用相場は45万円~となります。
(30~40坪程度で算出 ※)
延べ坪数 |
塗装面積 |
塗料代 |
工事費 |
諸経費 |
合計 |
20坪 |
50㎡ |
約14万 |
約14万 |
約7万 |
約35万 |
30坪 |
75㎡ |
約19万 |
約19万 |
約9.5万 |
約47.5万 |
40坪 |
100㎡ |
約26万 |
約26万 |
約13万 |
約65万 |
50坪 |
125㎡ |
約30万 |
約30万 |
約15万 |
約75万 |
※屋根塗装の費用は、塗料の種類・塗装する面積・屋根材の種類(屋根の劣化状況)などにより増減します。
※一般的な2階建て住居の住宅面積
【参考】住宅金融支援機構「2021年度 フラット35利用者調査」
屋根塗装の費用はどのように決まるのか?
屋根塗装の費用はおおまかに下記の3つに分類されており、見積書にはこれらの項目が記載されています。
・塗料代
・工事費(人件費、足場代)
・諸経費
おおよその費用の内訳は、塗料代40%、工事費40%、諸経費20%程度です。
塗料が決まれば、屋根塗装にかかる費用の概算を算出することができます。
価格が大きく変わるのは、どの塗料を使うかによります。
塗料代の費用相場
塗料缶は安いもので1缶5,000円ほど、高いものでは1缶10万円以上と様々な種類が存在し、塗料によって2倍以上の耐用年数の差があります。
2階建て住宅30~40坪(塗装面積65~100㎡)の場合使用する塗料缶は2~3缶必要となります。
※塗装面積や付帯部の塗装の有無などにより使用する量は変動します。
可能であれば、より耐用年数が長い塗料を選ぶようにしましょう。
塗料代が安価であっても、耐用年数が短ければ再塗装のタイミングも早く来るということになり、長期的に考えるとトータルの住宅メンテナンス費が増してしまう事が考えられます。
(屋根塗装のたびに、足場代などの仮設工事費や諸経費がかかるため。)
※現在使用している屋根材の種類によって、使用できる塗料の種類が決まりますので施工業者に現地調査をしてもらい、使用できる塗料を確認する必要があります。
工事費(人件費、足場代)の費用相場
▼工事項目ごとの費用相場(㎡あたり)
工事項目 |
相場価格 |
|
高圧洗浄 |
\100~300/㎡ |
|
仮設工事 |
足場設置 |
\600~800/㎡ |
養生 |
\250~400/㎡ |
|
付帯塗装工事 |
軒天 |
\800~1,200/㎡ |
雨樋 |
\800~1,200/㎡ |
|
縁切り |
\500/㎡ |
|
破風板 |
\650~800/㎡ |
|
諸経費 |
現場管理費 |
1式\40,000前後 |
廃棄物処理費 |
1式\20,000前後 |
「高圧洗浄」
屋根のホコリやカビ、剥がれかけた塗装などの汚れを塗装前に洗浄する作業のことです。
「仮設工事」
足場の設置や養生等の、準備や清掃に関わる費用が含まれます。
「付帯塗装工事」
屋根以外の箇所にも塗装をすることを付帯塗装工事と言い、基本的には付帯部も定期的な塗装が必要です。
屋根塗装と同時に行うことで仮設工事等の費用が1回分で済むということになりますので、施工業者に現地調査を依頼した際に合わせて相談することをおすすめします。
「諸経費」
材料費と工事費以外が含まれ、主に現場管理費や廃棄物の処理費用等が該当します。
「足場代」の計算式
家の外周と高さ(単位:m)が分かれば足場代を計算することが出来ます。
1)家の外周に4mプラス。
2)家の高さに0.5mプラス。
(上記理由:足場は家より大きく建てる必要があるため)
3)(外周+4)×(家の高さ+0.5)=足場面積
4)足場面積×足場設置単価(¥800/㎡)=足場費用となります。
※足場費用¥800/㎡として計算した場合
屋根塗装の見積もり例
では実際に屋根塗装の見積書を見てみましょう。
▼屋根塗装工事 お見積り例
名称 |
摘要 |
単位 |
数量 |
単価 |
金額 |
屋根塗装工事 |
|||||
仮設工事 |
足場架設・撤去 |
㎡ |
100 |
¥800 |
¥80,000 |
飛散防止シート |
㎡ |
100 |
¥200 |
¥20,000 |
|
洗浄 |
高圧洗浄 |
㎡ |
100 |
¥300 |
¥30,000 |
下地処理 |
ケレン・ワイヤーブラシ |
㎡ |
100 |
¥100 |
¥10,000 |
縁切り部材 |
¥350 |
¥35,000 |
|||
下塗り |
〇〇社 屋根用塗料(1缶) |
㎡ |
100 |
¥2,000 |
¥200,000 |
上塗り |
〇〇社 屋根用塗料(1缶) |
㎡ |
¥2,000 |
¥200,000 |
|
諸費用 |
廃棄物処理 |
式 |
1 |
¥35,000 |
¥35,000 |
運搬・交通費 |
式 |
1 |
¥35,000 |
¥35,000 |
|
合計 |
|
¥645,000 |
見積書を見る上での注意点
・可能であれば測量図などを提示してもらう
実際の金額は塗装する面積で決まります。
実際の塗装面積よりも少なく見積もり、後になって塗料の追加費用が発生しないか、逆に多く見積もりされて余分に請求されていないか、面積を割り出した根拠として測量図などを提示してくれるところであればより安心です。
・塗料のメーカー、商品名が見積書に明記されているか確認する
「シリコン系」などと記載されていても商品数は何百種類もあり、金額もグレードも様々です。
塗料の質や金額、耐用年数を判断するためにも塗料のメーカー、商品名を確認する必要があります。
・仮設工事や付帯工事についても細かく明記されているか確認する
屋根塗装工事1式〇〇万円などと、項目ごとに費用が明記されていない場合、施工されると思っていた内容と、実際に施工される内容が異なる可能性があります。
追加でさらに費用を請求される危険性があるため、詳細な内容を確認、説明を受ける必要があります。
・保証内容を確認する
保証内容に関して見積書や契約書等、書面に記載されているか確認する必要があります。
塗料の種類によって耐用年数が異なっており、ほとんどが耐用年数の半分ほどの期間が保証期間となっています。
▼塗料の種類ごとの保証期間の目安
塗料の種類 |
耐用年数 |
保証期間 |
ウレタン |
8~10年 |
5~6年 |
シリコン |
10~15年 |
6~8年 |
フッ素 |
15~20年 |
7~10年 |
無機 |
20~25年 |
8~10年 |
以上を踏まえて、適切に見積もりの内容を確認するようにしましょう!
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見積もりを依頼する際に重要なポイント
屋根塗装が必要なタイミング
屋根の塗料には耐用年数が設定されており、定期的な再塗装が必要になります。
塗料の耐用年数と屋根の劣化具合でタイミングを決めることになりますが、新築であれば約10年ごとに塗装し直すのが適切とされています。
そもそもなぜ屋根塗装が必要なのか?
1)屋根材を保護するため
屋根塗装をすることによって、屋根材を保護し劣化を防ぐ事ができます。
屋根は日々、雨風や日光に晒されています。
屋根材がむき出しの状態ではあっという間にサビや雨漏りやが発生する他、紫外線ダメージによる変形が生じ風災時に屋根材が剥がれることもあります。
塗装することでそのような劣化から屋根を守り、安全に暮らすことができるのです。
2)美観を保つため
新築時は美しかった外観も、経年劣化によりカビや苔などの汚れが目立つようになります。
再塗装することで新築時のような美しい外観を取り戻すことが出来ます。
機能面はもちろんのこと、外観も住まいの大切な要素です。
汚れが目立つ=屋根材が劣化しているという目安にもなります。
屋根塗装の耐用年数について
塗料は種類ごとに耐用年数が設定されています。
耐用年数が短いもので8年くらいから、長いものであれば20年ほどと様々です。
耐用年数が短いものは安価ではありますが短いサイクルで再塗装を繰り返す必要があります。低品質な塗料を使用すると屋根材自体の劣化にも繋がりやすくなります。
耐用年数が長いものは高価ではありますが、塗装回数は少なく済み屋根材の寿命を伸ばすことにつながるため、トータルのメンテナンス費で計算するとコストパフォーマンスが良いと言えます。
屋根塗装する際は、今かかる費用だけでは無く、耐用年数や耐久性も考慮して塗料を選択する必要があります。
各種屋根材の屋根塗装おすすめのタイミング
屋根材の種類ごとの特徴と、どのような状態になった時に屋根塗装をすべきなのかご紹介いたします。
※屋根材の劣化症状が見られたら塗料の耐用年数にこだわらず、なるべく早く再塗装を検討する必要があります。
劣化を放置するとさらに症状が拡大する危険性があります。
スレート
セメントを主成分とした屋根材で、多くの住宅で使用されています。
スレート屋根は、ほとんどの場合7~8年ほどで色褪せが生じてきます。
色褪せがあるという事は塗膜が剥がれている状態なので、雨水が直接屋根材に当たります。
スレートには耐水性が無く、そのまま放置すると屋根材がヒビ割れする危険性があります。
《特徴》
- ・デザイン性が高い
- ・低価格で施工できる
- ・軽量なため地震に強い
- ・施工できる業者が多い
- ・塗膜が落ちるとヒビ割れしやすい
- 《屋根塗装が必要な状態》
- ・苔やカビが生えている
- ・色褪せしている
- ・スレートが変形している
- ・触れると粉が付く
- ・釘や留め具が取れている
- ・塗膜が剥がれている
ガルバリウム
薄い鉄板の表面にアルミニウム・亜鉛・シリコンのめっきが施してあるガルバリウム鋼板を使用した、金属製の屋根材です。
金属製のためカビや苔の発生率が低いですが、塗膜が剥がれるとサビが発生しやすく、遮熱性も低いという特徴があります。
サビを放置し穴が空いてしまった場合は、塗装だけでは対処しきれず屋根材を交換する必要がありますので早め再塗装する必要があります。
遮熱性の低さは、再塗装の際に遮熱塗料を選択することでカバー出来ます。
《特徴》
- ・耐水性、防火性が高い
- ・軽量なため地震に強い
- ・形状の自由度が高い
- ・金属製のため遮熱性が低い
- ・雨音が響きやすい
《屋根塗装が必要な状態》
- ・サビが発生している
- ・色褪せしている
- ・釘や留め具が取れている
セメント瓦
セメントと川砂を混ぜて作られた屋根材です。
見た目は粘土瓦と似ていますが、セメント瓦に耐水性は無く、塗装によって耐水性を保っています。
塗膜が剥がれれば雨水が染み込み、雨漏りや腐食の原因となります。
屋根材の耐用年数は30年以上と長いですが、その耐用年数の長さを活かすためには、きちんと定期的な塗装をする必要があります。
《特徴》
- ・防火性が高い
- ・デザイン性が高い
- ・耐用年数が長い(30年以上)
- ・衝撃に弱く割れやすい
- ・粘土瓦と違い塗装の必要性あり
- 《屋根塗装が必要な状態》
- ・割れている
- ・苔やカビが生えている
- ・色褪せしている
- ・触れると粉が付く
- ・塗膜が剥がれている
トタン屋根
トタン屋根は、亜鉛をメッキ加工して製造された金属製の屋根です。
トタン自体に防水性は無く、塗装によって防水性を保っています。
金属製のため塗膜が剥がれるとサビが生じ、そのままの状態では屋根に穴が開く危険性があります。
屋根に穴が開くと塗装では対処しきれず屋根材自体を張り替える必要があるため、定期的に塗装をする事が大事です。
《特徴》
- ・軽量なため地震に強い
- ・低価格で施工できる
- ・金属製のため遮熱性が低い
- ・雨音が響きやすい
- 《屋根塗装が必要な状態》
- ・サビが発生している
- ・色褪せしている
- ・塗膜が剥がれている
- ・触れると粉が付く
粘土瓦(塗装が不要な屋根材)
耐火性・防水性に優れ、割れることさえなければ耐用年数は50年以上とされており、他の屋根材と比較してみると非常に耐久性が高いことが特徴です。
塗装は必要ありませんが、漆喰の詰め直し・詰め増し工事が必要です。
漆喰の耐用年数は20年ごととされており、雨水の侵入を防ぐ・美観を保つ等の目的で行われます。
《特徴》
- ・塗装の必要性が無い
- ・耐久性が非常に高く耐用年数が長い
- ・断熱性が高い
- ・漆喰の詰め直し・詰め増し工事が定期的に必要
- ・施工できる業者が少なく、施工費用が高額
屋根の塗料について
屋根の塗料には多くの種類があり、種類ごとに耐用年数や費用相場が異なります。
▼塗料の種類・耐用年数・費用相場(1缶あたり)
塗料の種類 |
耐用年数 |
1缶あたりの費用相場 |
ウレタン |
5~7年 |
\5,000~20,000 |
シリコン |
5~10年 |
\15,000~40,000 |
アクリル |
3~5年 |
\5,000~15,000 |
フッ素 |
10~15年 |
\40,000~80,000 |
無機 |
15~20年 |
\50,000~120,000 |
ウレタン塗料
ウレタン塗料は屋根や外壁の塗装に広く使われている塗料です。
昔から多くの業者で取り扱われている塗料ですが、近年ではウレタン塗料よりも耐久性が高く、比較的安価なシリコン塗料が主流となり使用されるケースが減ってきています。
色の種類が豊富で、光沢感のある仕上がりになることが特徴です。
中には防カビ性や耐久性といった機能面を高めた商品もあります。
ですが、他の塗料と比較して紫外線に弱く耐用年数が短いという特徴があり、初期費用は抑える事ができても長期的にみるとコストパフォーマンスは悪いと言えます。
《特徴》
- ・低価格
- ・種類が豊富
- ・光沢感のある仕上がり
- ・紫外線に弱い
- ・耐用年数が短い
シリコン塗料
価格と耐用年数のバランスが良く、屋根の再塗装でも選ばれることが多い塗料がこのシリコン塗料です。
色落ちや汚れに強く耐用年数も10年ほどあります。
色の種類が多く、遮熱性・防音性などの性能を高めた商品もあり、希望に合わせて選ぶことが出来ます。
一方でウレタン塗料と変わらないような耐久性に乏しい商品もあるため商品ごとの耐用年数をよく確認する必要があります。
比較的密着性は低く、丁寧に施工しなければ後に剥がれの原因になることもありますので技術のある施工業者を選ぶ必要があります。
《特徴》
- ・低価格
- ・色落ち、汚れに強い
- ・種類が豊富
- ・施工業者が多い
- ・商品により耐用年数に差がある
- ・密着性が低く、丁寧に施工しないと剥がれの原因になる
アクリル塗料
安価ではあるものの耐久性が低く汚れが付着しやすいといった特徴があり、安価である以外のメリットがあまりありません。
そのためウレタン塗料と同じく、屋根塗装や外壁塗装に従来は使用されることが多かったものの、現在はほとんど使用されることがありません。
《特徴》
- ・低価格
- ・耐久性が低く、耐用年数も短い
フッ素
高い耐久性・耐候性を誇り耐用年数が10年以上もあることが特徴です。
近年人気のシリコン塗料と比較して価格はやや高めです。
紫外線によるダメージや、カビ、酸性雨などの過酷な環境にも長期的に耐えられ、色落ちもしにくく外観の美しさも長期的に保つことが可能です。
フッ素の塗膜により仕上がりは光沢感ある見た目となり、つや消し仕様の商品はありません。
《特徴》
- ・シリコン塗料と比較すると高価
- ・高い耐久性、耐候性がある
- ・耐用年数が10年以上ある
- ・光沢感ある仕上がり(つや消し仕様が無い)
- ・取り扱っていない施工業者もある
無機塗料
無機塗料の耐用年数は15~20年、使用環境よっては20年以上と非常に長く、その差は現在主流となっているシリコン塗料の2倍ほどもあります。
価格はシリコン塗料と比較して2~3倍ほど高くなりますが、数ある塗料の中でも軍を抜いて高性能なため、予算的に可能であれば非常におすすめの塗料となっています。
屋根塗装の回数を減らせるということは、仮設工事や諸経費等の出費を減らすことに繋がります。
最大のメリットは無機物ゆえの高い耐候性で、紫外線によるダメージの心配は殆どありません。(石や岩が紫外線の影響下で何年も同じ状態を保つことができるのと同じ仕組み)
無機物は燃えにくいという性質も併せ持っているため、近隣で住宅火災が発生した場合でも、延焼する可能性が低くなるという効果があります。
また、カビや苔も生えづらく汚れが落ちやすいという特徴もあり、屋根材自体の寿命を伸ばすことに繋がります。
しかし塗料の種類の中で1番新しい無機塗料は、施工業者によっては取り扱った事が無い場合や知識がない場合があります。
せっかくの性能も施工技術が伴わないと台無しになってしまう恐れがあるため、依頼する際は無機塗料の施工実績が多くある施工業者を選ぶようにしましょう。
《特徴》
- ・耐用年数が20年ほどと長期間
- ・非常に高い耐久性・耐候性がある
- ・塗料の中でも1番高価
- ・施工できる業者が少ない
まとめ
屋根塗装の費用相場は約45万円からとなり、新築後約10年ごとに行うことがおすすめです。
塗料ごとに耐用年数・価格・性能に差があるため屋根材に合わせて最適なものを選ぶ必要があります。
また屋根材ごとに劣化する部分に違い・特徴があるのでご自分の住宅の屋根材はどの種類になるのか確認するようにしましょう。
屋根塗装は屋根材を保護することで屋根材の寿命を伸ばすことが出来ます。
日頃から屋根の状態をチェックし、余裕を持って再塗装の計画を立てるようにしましょう。
隆建設株式会社は、千葉、若葉区、船橋を中心としたリフォームと屋根修理を行っています。わかりやすい見積書の提示と丁寧な説明に力を入れているので、お気軽にご相談ください。