はじめてリフォームする人にとって、適切なタイミングや準備しておくことを把握しきれていないことも多いでしょう。水回りや内装などは目には見えなくても劣化が進んでいるものです。放置しておくと劣化が悪化して、設備が使えなくなったり床がきしんだりと私生活に影響することも少なくありません。
今回は、リフォームをするタイミングや準備しておくべきことを解説します。リフォームの基本を知って、スムーズに行動していきましょう。
リフォームをするタイミングはいつ?
リフォームをするタイミングは、場所や使用環境などによって異なります。築年数を目安に考える場合もあれば、現状で判断する場合もあるため、目安を覚えておくとよいでしょう。
築年数を目安にするなら、築20〜30年です。場所別に見るなら、以下のリフォームタイミングを参考にしてください。
場所 | タイミング |
水回り | 10〜20年 |
床や壁紙などの内装 | 10〜15年 |
窓回り | 20〜30年 |
外壁や屋根回り | 10〜20年 |
ご自宅のリフォームタイミングがわからない場合は、一度専門家に見てもらうのも手段の一つです。プロ目線から見てもらえれば、急ぎで必要なリフォームと後からでも問題ないリフォームがわかります。
リフォームをする前の準備
はじめてリフォームする人は、何から準備すればよいのかわからないでしょう。リフォームをする前に以下の5つを準備しておくと、段取りがスムーズになります。
- ・リフォームの内容を調べておく
- ・工事の内容や期間を把握する
- ・補助金を活用する場合は申請する
- ・部屋を片付ける
- ・リフォーム業者用の駐車場を手配する
それぞれの内容を解説します。
準備①リフォームの内容を調べておく
まずは、予定しているリフォームの内容を調べておきましょう。例えば、キッチンのリフォームを考えている場合は、撤去から取り付け、ガスコンロの設置など基本的なことを調べておくと理解がしやすくなります。
リフォームの内容は、コラム記事や施工事例、YouTubeなどから手軽に情報収集できます。ある程度内容を把握しておくとリフォーム時も安心して任せられるようになるので、事前に情報収集しておきましょう。
準備②工事の流れや期間を把握する
工事の流れはリフォーム内容によって異なりますが、基本的な流れは以下のとおりです。
【リフォームの流れ】
- ・お問い合わせ
- ・店舗にご来場
- ・お見積・図面提案
- ・基本設計を申込
- ・お打ち合わせ
- ・ご契約
- ・必要に応じてお引越し
- ・リフォーム開始
- ・リフォーム完了
- ・アフターサポート
なお、リフォーム期間は打ち合わせ時や契約時に判明します。場所によって期間が異なるので、目安を以下にまとめました。
リフォーム箇所 | 期間 |
キッチン | 1日~3週間 |
お風呂 | 1~1週間 |
トイレ | 半日~5日 |
リフォームの内容や規模、採用する製品によって工事期間は変動します。例えば、L型キッチンは施工に時間がかかることが多く、スタンダードなキッチンよりも期間が延びる傾向にあります。移設も伴えば、配管工事や電気工事、内装工事も必要になるので、3週間かかることも少なくありません。
トイレを入れ替えるだけであれば半日で終わることがほとんどですが、引き戸への変更やトイレ空間の拡張などを行えば数日かかります。業者によって期間が変動することもあるので、気になる場合は事前に確認しておくとよいでしょう。
準備③補助金を活用する場合は申請する
リフォームの内容によっては、国や自治体が提供する補助金制度を利用できる場合があります。補助金を利用できれば、リフォーム費用の一部が免除されて自己負担が減ります。
例えば、要介護・要支援の人が住む自宅をバリアフリー化する際は、介護保険の申請対象です。省エネリフォームや耐震リフォームなど、性能を高める工事に利用できる補助金も設けられています。
国の補助金が利用できない場合でも、自治体の補助金は利用できる場合があるので、利用条件を確認しておくとよいでしょう。なお補助金の利用申請には期限が設けられていることが一般的です。予算に達し次第終了だったり抽選で決められたりするので、利用を考えている人は早めに申請することをおすすめします。
準備④部屋を片付ける
キッチンやリビングなど荷物が多い場所をリフォームする際は、工事の邪魔にならないように片付けます。ダンボールを用意して荷物をまとめ、別室に運びましょう。大きな家具やカーテンなども移動させて、業者が間違って捨てないようにしっかり片付けます。
あまりにも荷物が多かったり全室リフォームしたりする場合は、トランクルームやレンタルルームを借りて荷物を保管するとよいでしょう。片付けのタイミングで断捨離できれば、荷物量も減ってすっきりします。
準備⑤リフォーム業者用の駐車場を手配する
リフォームの内容によっては、資材や道具を運ぶ必要があります。そのため、リフォーム業者用の駐車場を手配しなければなりません。駐車場を確保しないと業者が勝手に近隣の私有地に停めたり、業者の車が邪魔で出入りできなかったりと迷惑がかかります。
リフォーム業者用の駐車場の手配をどちらが行うかは、双方で確認することが大切です。業者によっては駐車場代を見積もりに含まれている場合もあるため、どこに停める予定なのか事前に聞いておきましょう。
フルリフォームする場合に必要な準備はある?
リフォーム箇所がピンポイントであれば、数日で終わることがほとんどです。しかし、家を全体的にリフォームする場合は数ヶ月かかることも少なくありません。水回りやリビングをまとめて行うとなれば、普段通りの生活を送るのは難しくなります。
リフォーム中も不自由なく暮らすためにも、フルリフォームの際は仮住まいを用意しておくのもおすすめです。仮住まい先の候補としては、ホテルやマンスリーマンションがあります。賃貸物件は短期間向けではないため、仮住まいに適した物件を探しましょう。また、親戚の家に一時的に住ませてもらう方法もあります。
住まいを移動させる場合はいずれにせよ引越しが伴うので、荷造りも行いましょう。郵送物の転送作業なども行い、仮住まい先で不自由なく暮らせるように環境を整えます。
トラブルを回避するためにしておくべきリフォームの準備
リフォームは予期せぬトラブルが起きることもあります。トラブルが起きてからでは対処が難しくなるので、事前にできる準備をしておくことが大切です。ここからは、近隣への挨拶回りとペットのスペース確保について解説します。
近隣への挨拶回り
リフォーム中は騒音や資材のニオイなどで、近隣の私生活に迷惑をかけます。なかには日中家に子どもがいたりや夜勤帰りで寝る人もいたりするので、なるべく直接挨拶することが大切です。ここでは、挨拶回りのタイミングと伝えておきたい内容を紹介します。
挨拶回りのタイミング
リフォームの挨拶回りは、工事前に行うのが基本です。ほとんどの場合は依頼先である施工会社が挨拶回りをしてくれて、直接挨拶したり直接できなかった場合はお知らせの紙をポストに入れてくれたりします。
依頼主からも直接挨拶を行えば誠実さが伝わりやすくなるので、時間がある場合は行うとよいでしょう。
挨拶回りがないと近隣住民は不快な思いをします。事前にお知らせがあれば、日中は出かけたり家事の時間を変えたりと近隣住民も協力してくれるかもしれません。普段あまり会話を交わさない間柄であっても、リフォームの挨拶回りはしっかり行いましょう。
伝えておきたい内容
リフォーム前の挨拶では、近隣住民の疑問を少しでも払拭するために、詳細を伝えることが大切です。主な内容としては、以下のとおりです。
- ・工事内容や騒音、人の出入りに関するお詫び
- ・工事期間、時間帯
- ・工事業者の名前
- ・業者の車が停まる場所
- ・緊急の連絡先
口頭だけでは近隣住民も忘れてしまうので、直接挨拶する際にお知らせの紙を渡すようにしましょう。一緒に名刺を渡せば担当者がわかるので、近隣住民に安心感を与えられます。
ペットのスペース確保
リフォーム中に発生する騒音やニオイは、ペットにとって大きなストレスです。ストレス対策をしないままリフォームすると、脱走したりトラウマになったりしてしまうかもしれません。リフォームをする際は、大切なペットへの配慮も忘れないようにしましょう。ここでは、脱走を防ぐ対策とストレスへの配慮について解説します。
脱走を防ぐ対策
リフォーム中は、工事関係者の出入りが頻繁に行われます。都度ドアを開け閉めする場合もあれば、開けっ放しにする場合もあるので、ペットが脱走しやすい状態です。別室にペットを置いておいておくのが得策ですが、万が一に備えてリードをつないだりゲージの中に入れておいたりすると安全性が高まるでしょう。
ストレスへの配慮
ペットは普段とは異なる音やニオイに敏感です。そのため、リフォーム中は普段よりも配慮してあげましょう。例えば、別室を用意したり新しいおもちゃを与えたりして、ペットがリラックスできる空間をつくってあげます。
数日間リフォームが続く場合は、通い慣れているペットホテルや家族の家に預けてもよいでしょう。ペットにとってなるべくストレスがかからないように、家族みんなで配慮してあげてください。
リフォームの準備リストをつくろう
リフォームをするにあたって、準備するべきことは意外とたくさんあります。ほとんどは施工会社が準備してくれますが、依頼主も流れを把握しておくと段取りがスムーズになります。
いざリフォーム前になると準備漏れが起こるかもしれないので、チェックリストをつくっておくのがおすすめです。リフォーム中に起こりうるトラブルも想定し、対策もしっかり考えておきましょう。