1日の疲れを癒すお風呂タイムは、私生活になくてはならない時間です。しかし、足腰が弱くなった人や小さな子どもにとって、滑りやすい床やまたぎにくい浴槽は危険が伴います。快適性を高めるためにも、せっかくお風呂をリフォームするならバリアフリーを意識しましょう。
今回は、お風呂をバリアフリーにするためのリフォームポイントを解説します。バリアフリー化する際に活用できる補助金についても紹介するので、ぜひ参考にしてください。
お風呂をリフォームするならバリアフリーにするべき?

お風呂をリフォームするタイミングで、バリアフリーを検討するのがおすすめです。従来のお風呂は滑りやすい床やタイルの壁、浴槽に高さがあるなど、不便な点が多くあります。慣れたお風呂であっても、足腰が弱くなったり子どもが1人で使うようになったりすれば、危険が及ぶかもしれません。
また、タイル張りのお風呂はひんやりした空気感に包まれているので、ヒートショックが起きやすい状況です。ヒートショックが起きると身体に負担がかかって転倒したり意識を失ったりすることもあります。
お風呂をバリアフリーにすれば、快適で安全な空間になります。介護が必要になっても支えやすくなり、長い目で見ても有効なリフォーム内容です。
お風呂をリフォームするタイミング

お風呂をリフォームするタイミングはさまざまあります。主なタイミングは以下の3つです。
- ・家族構成が変化したとき
- ・介護が必要になったとき
- ・家が老朽化したとき
夫婦2人から子どもがいる3人家族や、両親が同居して4人家族になるときは、お風呂をバリアフリーにリフォームするタイミングの一つです。古いお風呂よりも快適で安全性が高いお風呂のほうが、新しい家族も使いやすくなります。同居する家族の足腰が悪い場合は、適切なバリアフリーリフォームをするべきでしょう。
介護が必要であれば、2人が入っても動きやすい工夫が必要です。例えば、出入り口を拡張して引き戸にしたり手すりを複数設けたりすると、介護する側もサポートされる側も動きやすくなります。
高齢者になるとヒートショックも起こりやすくなるので、お風呂場と脱衣所の温度差を縮める対策も欠かせません。そのためにも、お風呂をリフォームするタイミングで最新のユニットバスへ交換するのがおすすめです。最新のユニットバスなら小さな子どもや高齢者にとって優しい設計になっています。
また、家の老朽化が進んだタイミングもリフォームすべきです。放置しておくと美観が損なわれるだけではなく、配管が腐食して水漏れが起きる可能性があります。老朽化が進むとお風呂を交換するだけでは改善せず、大掛かりな修繕工事が必要になるかもしれません。早めにリフォームすれば家族のみんなが安心してお風呂に入れるだけではなく、費用の節約にもつながります。
お風呂をバリアフリーにするためのリフォーム内容
ここでは、お風呂をバリアフリーにするためのリフォーム内容を7つ紹介します。
- ①出入り口の段差をなくす
- ②扉を引き戸に変える
- ③手すりを設置する
- ④滑りにくい床にする
- ⑤容易に出入りできる浴槽に変える
- ⑥浴室暖房機を導入する
- ⑦シャワーキャリーを設置する
それぞれの内容を見ていきましょう。
①出入り口の段差をなくす
お風呂と脱衣所の間には、段差があります。段差があるとつまずいたり踏み外したりするリスクがあるので、リフォームで段差をなくしましょう。理想的な段差は2cm以下といわれています。
フラットな段差だと、かえってお風呂の水が脱衣所に流れ込んでしまいます。適度に段差を残しつつ、つまずきにくい段差をつくりましょう。また、出入り口を広げると介護が必要になったとき出入りしやすくなります。
②扉を引き戸に変える
お風呂の扉は、開き戸よりも引き戸のほうがおすすめです。開き戸の場合、浴室内で人が倒れると体が壁となって扉が開けにくくなります。引き戸にすればトラブルが起きてもスムーズに開閉できるので、安全性が高まります。
③手すりを設置する
手すりは体を支える重要な設備です。お風呂場で立ったり座ったり移動したりするときに足を滑らす可能性もあるので、手すりがあると安全性が高まります。設置箇所はさまざまありますが、出入り口や浴槽の横に取り付けるのが便利です。適切な設置場所がわからない場合は、業者に相談して取り付けてもらいましょう。
④滑りにくい床にする
お風呂は転倒事故が多い場所です。気をつけていても滑りやすくなっているので、滑りにくい床へリフォームしましょう。滑りにくい床は水はけがよくなっているので、滑り防止に有効です。また、転倒してしまったときのケガのリスクを最小限にするために、クッション性のある床を選ぶのも一案です。
⑤容易に出入りできる浴槽に変える
子どももお年寄りもスムーズに浴槽に出入りできるように、浴槽を変えることもバリアフリーです。浴槽の高さを30〜40cmにすれば負担が少なくなって、またぎやすくなります。バリアフリー向けのまたぎやすい浴槽にするために、浴槽の3分の1ほどが床に埋め込まれた「半埋め込み式」が採用されることが一般的です。
⑥浴室暖房機を導入する
お風呂のバリアフリーリフォームをするなら、浴室暖房機の導入は欠かせません。お風呂場と脱衣所の温度差によってヒートショックが起きれば、脳梗塞や心筋梗塞、大動脈解離などになる可能性があります。
浴室暖房機であらかじめ浴室を暖めておけば、ヒートショックを予防できます。お風呂に限らず、脱衣所にストーブも置けば温度差を緩和できて、危険性が和らぐでしょう。
⑦シャワーキャリーを設置する
車椅子の人をお風呂に入れるときに、シャワーキャリーがあると便利です。シャワーキャリーはお風呂専用の車椅子で、服を脱ぐ動作からシャワーで洗う、浴室から出て着替えるまでを一貫して行えます。シャワーキャリーがあれば利用者が1人でお風呂に入れるのはもちろん、介護もしやすくなってストレスが緩和できます。
お風呂をバリアフリーにリフォームする際の費用の相場

お風呂をバリアフリー化する際にかかる費用がいくらくらいなのか、気になる人もいるでしょう。本記事で紹介したリフォーム内容別に費用相場をまとめたので、チェックしてください。
| リフォーム箇所 | 費用相場 |
| 出入り口の段差解消 | 5万~10万円 |
| 扉の変更 | 12万~19万円 |
| 手すりの設置 | 2万~3万円 |
| 滑りにくい床への変更 | 10万~20万円 |
| 出入りしやすい浴槽への変更 | 30万~35万円 |
| 浴室暖房機の導入 | 2万~20万円 |
| シャワーキャリーの設置 | 6万円 |
部分的なリフォームであれば、バリアフリー化であっても費用を抑えられます。しかし、複数リフォームが必要であれば、まとめてユニットバスに交換したほうが、トータルコストもランニングコストも抑えられます。これからも長く使っていくのであれば、お風呂のフルリフォームも検討しましょう。
お風呂のバリアフリーリフォームで使える補助金とは
お風呂をバリアフリーにリフォームする際は、補助金が利用できます。主な補助金の種類は以下の3つです。
- ・国の補助金制度
- ・自治体の補助金制度
- ・介護保険の補助金制度
それぞれの内容を解説します。
国の補助金制度
国の補助金制度でお風呂のバリアフリーリフォームに使えるのは、主に2種類です。
-
補助金制度名 対象となるリフォーム 子育てエコホーム支援事業 ・高断熱浴槽、高効率給湯器、節湯水栓の設置(必須工事) ・浴室乾燥機の導入
・手すりの設置、段差の解消
長期優良住宅化リフォーム推進事業 ・ユニットバスの交換 ・高効率給湯器の設置
・手すりの設置、段差の解消</li>
・三世代同居にともなう浴室の増設
国の補助金制度は基本的に毎年利用者を募集していますが、予算などの関係で提供していない時期もあります。そのため、随時情報を確認することが大切です。
募集が始まると予算に達成次第終了したり抽選で決まったりするので、早めに行動することをおすすめします。
自治体の補助金制度
各自治体にもバリアフリーリフォームに使える補助金制度があります。国の補助金制度が利用できない場合でも、自治体の補助金制度なら利用できる場合があるので、チェックして損はしないでしょう。自治体の補助金制度の利用条件のほとんどは、住民税の滞納がないことが挙げられます。
制度名や補助率などは異なってきますが、条件を満たせば利用可能です。お住まいの自治体がどのような補助金制度を設けているか知りたい場合は、ホームページをチェックしてみましょう。なお、地方公共団体における住宅リフォーム支援制度検索サイトでも検索できるので、ぜひご活用ください。
介護保険の補助金制度
要支援、または要介護認定を受けている人は、最大20万円までの工事費用に対して、9〜7割、最大18万円の補助金が支給されます。ただし、介護保険の補助金を受け取れるのは原則として1回のみであること、要支援、要介護の区分に関係なく金額が一律であることを覚えておきましょう。
介護保険の補助金制度もバリアフリーリフォームに活用できます。利用条件には、要支援または要介護認定を受けていることです。申請が通ると、最大20万円までの工事費用に対して、9〜7割の最大18万円の補助金が支給されます。
なお、介護保険を使って浴室のバリアフリー化を行う場合、以下の工事内容が対象です。
- ・手すりの設置
- ・段差の解消
- ・滑りにくい床への変更
- ・引き戸への交換
介護保険を利用してお風呂をバリアフリー化したい場合は、担当のケアマネジャーと打ち合わせを行います。最適な指示を受けて利用者にとって安全なお風呂のプランを立てるのです。
お風呂のバリアフリーリフォームの注意点
お風呂のバリアフリーリフォームを行う際は、以下の3つの注意点があります。
- ・施工期間中の入浴手段を考えておく
- ・自由に設計できない可能性がある
- ・リフォームするタイミングを把握しておく
それぞれの注意点を押さえて、スムーズに取り組みましょう。
注意点①施工期間中の入浴手段を考えておく
お風呂をリフォームする際は、入浴手段を考えておきましょう。手すりの設置や浴室暖房機の導入など部分的なリフォームであれば、工事当日から入浴可能です。
ただし、床の張り替えや浴槽交換などを行う際は、コーキングをして乾かす必要があるため、工事当日の入浴はできません。在来からユニットバスへのリフォームとなると、大掛かりな工事になるので数日かかります。数日間入浴できないときのことも視野に入れて、対策をしっかり考えておきましょう。
注意点②自由に設計できない可能性がある
ユニットバスの壁や床、浴槽などはあらかじめサイズが決まっています。そのため、自由にサイズ変更はできません。穴あけの位置も各メーカーで指定されているので、棚や鏡の位置も自由に決められないのです。
もし指定の位置に設備を設置しなければ、メーカー保証を受けられなくなるので注意してください。また、マンションの場合は管理組合からの承認がないとリフォームできません。お風呂空間を広げたり浴室暖房機を導入したりしたい場合は、マンションの規約をよく確認しておきましょう。
注意点③リフォームするタイミングを把握しておく
お風呂のバリアフリー化を考えている場合は、リフォームするタイミングを把握しておくことも大切です。リフォームタイミングはさまざまありますが、適切なタイミングを見逃すと大掛かりな工事が必要になります。老朽化が進んでいたり介護が必要になったりと、暮らしに変化があったらリフォーム計画を進めましょう。
お風呂リフォームでバリアフリー化しよう
お風呂をバリアフリーにリフォームすると、子どもから高齢者まで安全に入浴できる空間になります。出入口の段差や滑りやすい床は、転倒につながる可能性が少なくありません。浴槽への出入り時にバランスを崩せば、溺れたり滑ったりする危険性も高まります。
バリアフリーリフォームすると安全性が高まって、誰でも入りやすいお風呂になります。せっかくリフォームするなら、バリアフリーを意識したお風呂にしましょう。










